背景の力
以前紹介したアイデアの力で述べているように、印象(記憶)に残り、行動を起こさせるメッセージを発信することが重要であることは間違いないと思います。記憶に残すには、予測回路を破壊する。つまり、意外性が重要ということですね。行動を起こさせるにも、司令官の意図で表現される、いわゆる行動原則的な指針を、メッセージに組み込む必要があります。これは納得です。
この考え方をベースとして「急に売れ始めるにはワケがある」を紹介したいと思います。
ここで特にスポットライトを当てたいのは、背景の力です。「割れた窓理論」とは、一枚の割れた窓を放置しておくとその環境がどんどん悪化していき、割れた窓とは一見無関係な状況(その一帯が犯罪地区になる)にまで発展するという考え方です。
割れた窓理論は結構ナットクで、例えば放置自転車があれば、その自転車カゴにゴミが入れられ、一つ入ったままで放置されていると、次々とゴミが投げ入れられ、気が付いたら放置自転車の周りはゴミだらけみたいな状況を見たりします。普段そんなことをしない人にも、ゴミが入った放置自転車のカゴがゴミ箱に見えてしまうのでしょうね。
更に、ちょっとした条件設定で人の行動を左右することが可能であることも述べています。たとえば、普段から慈善の精神を追及している人(本では神学生)も「時間がないよ」というだけで、瀕死の人を見捨てる場合があると。この本から引用すると、「行動の方向性を決めるにあたって、心に抱いている確信とか、今何を考えているかというようなことは、行動しているときのその場の背景ほど重要ではない」、となるわけです。
背景設定によって人の行動をコントロールできる。 これは結構使えそうで、使われた時は恐ろしいですね。
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