伊奈川第二発電所の取水堰と越百側の取水堰
大桑村村史には伊奈川発電所と伊奈川第二発電所の開発経緯が詳しく書かれていた。
福栃沢に取水堰があった。けさざわ取水堰の真南に1.1kmほどのところ。福栃沢の水をけさがわに導水していて、けさざわ取水堰の上流で放水しいる。
越百側取水堰があった。伊奈川ダムの真南の越百側にあって、伊奈川発電所への導水路に水を供給している。
福栃沢取水堰は、中央アルプスから流れる沢の水をことごとく集めて伊奈川第二発電所に送るという意味でその存在がわかるけれども、越百川取水堰は腹落ちしにくい。そもそも伊奈川ダムという大きなダムを作ってそこから取水して伊奈川発電所に導水していることを考えると、越百川に取水堰をつくって水を加算することの目的がはっきりしない。
伊奈川ダムは伊奈川発電所と相之沢発電所から始まる一連の発電所列に給水することを考えれば、越百川の水をいったん伊奈川ダムに集めてから発電所全体に給水することを目的としているのだろうか。
で、あるならば越百川で取水した水は一旦伊奈川ダムに貯められるはず。で、ダムをよく見るとダム湖の南側に流入口がある。越百川の水は、取水堰から真っすぐ北上してダムに水を供給しているのだ。
しかしなぜ越百川取水路が国土地理院の地図に掲載されていないのか。。。そのヒントが大桑村村史にあった。昭和52年11月15日付の広報おおくわ93号によると、越百川取水路は伊奈川ダム竣工から1年程遅れて完成したそうだ。ここから、国土地理院の地図は伊奈川ダム竣工時の状態を描いたもので、それから遅れて竣工した越百川導水路は描かれることはなかったということだろう。
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