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2022年1月

2022年1月31日 (月)

フロートバランの製作 その2

バランの性能が思わしくないので、バイファイラ巻きから撚線巻きに替えてみる。

まずは寄り線の製作。0.8mmのUEW線を撚る。UEW線は30cmでカットしてある。
Img062431_small

巻きあがったUEW線。使うトロイダルコアはFT-114-43と同じもの。
Img06245_small

5回巻きにしてある。撚り部の長さがちょっと余ったので少しほどいてこの形にした。UEW線の端はヤスリで被覆を剥がしてある。
Img06246_small_20220131104201

バイファイラ巻きのフェライトコアから交換した後。
Img06247_hdr_small

50Ωのだミロードを付けてSWRを測定した。赤太線がバイファイラ巻きでピンク細線が撚り線巻き。明らかに違う。
Photo_20220131104001

24MHzでのSWRは1.03dB、リターンロス36.13dBとなかなかの特性をだしてくれた。
Photo_20220131104301

やはりトロイダルコア巻き付け部分がバイファイラ巻きでは線間の結合が甘くてインピーダンスが合わなかったということなんだと思う。撚り線巻きで線間の結合がより高くなってインピーダンスが合ったのだろう。

実際インピーダンスをグラフで見ると、共振周波数の24MHzでのインピーダンスはバイファイラ巻き(細線)が43.58Ω、撚り線巻き(太線)が51.43Ωと、撚り線巻きがケーブルの特性インピーダンスの50Ωにより近くなっている。周波数が高くなるとインピーダンス差はもっと大きくなる。
Photo_20220131110501

インピーダンスのピーク周期がバイファイラ巻きが34MHzであるのに対して、撚り線巻きは33MHzと若干低くなっている。

2022年1月30日 (日)

ケーブルロスの測定

RigExpert AA-1500 ZOOMで手持ちの遊休ケーブルのケーブルロス値を測定してみた。

結果は以表のとおり。ケーブルロス値はHF帯を前提にして29.7MHzでの値をピックアップした。

ケーブル ケーブルロス dB dB -> 倍率
3D-2V 2.6m 0.75 0.841
3D-2V 20m 1.27 0.746
5D-2V 10m 0.38 0.916
5D-FB 10m 0.11 0.975

dB->倍率変換はWEBツール上で値に上表のケーブルロス値をマイナス値として入力して電力での値を取得した。

3D-2Vと5D-2Vはおよそ40年前に使っていたケーブルで物置から引っ張りだしてきたもの。5D-FBは第一電波工業ブランドで数年前に購入したもの。40年前のケーブルはそれなりに使えるかもしれないけれど3D-2Vは細いだけあってロス値が大きい。5D-FBはケーブルが硬くて取り回しが難しいけれどもその分良い結果を出している。

以下、AA-1500のスクリーンコピー。横軸は0から1500MHz(AA-1500のフルレンジ)でプロットされているので、29.7MHzはグラフの左端になっている。

3d2v26m

3d2v20m

5d2v10m

5dfb10m

やはり細いケーブルは辛い。当然の結果ではあるけれども、、、、

フロートバランの製作 その1

先日アップしたバランの設計値に基づいてバランを製作した。

部品は秋月電子と千石電商のネット通販で調達した。調達したパーツリストは最後尾に添付している。

ケースを加工してUHFコネクターとアンテナ端子を取り付けた。
Img06175_small_20220130090001

この中にトロイダルコアを入れる。入れるコアはFT114-43、千石電商で調達した(秋月電子のネット検索では見つからなかった)。
Img06177_small

このトロイダルコアに0.8mmのポリウレタン銅線を巻く。バイファイラ巻きで、計算値どおりの5回巻きとする。
Img06181_small_20220130202901

こんな感じに巻いてみた。
Img06190_small

銅線の被覆を剥がし、それぞれの端子に半田付けをする。
Img06191_small

屋根裏で50MHzワイヤーダイポールを接続してみた。
Img06194_small

アンテナアナライザーAA-1500 ZOOMのSWR測定結果。共振周波数はちょっと低い(エレメントが長い)ところにあるけれど47MHzでSWR=1.57、リターンロス=13.05dBとなっている。なのでエレメント長を調整すればそれなりに使いそうな雰囲気はある。
50m

バランの平衡度を確認するため、ダミーロードを製作した。100Ω 1/4W金属皮膜抵抗を4本並列接続して25Ω抵抗を2つ作り、それを直列に接続して50Ω抵抗とした。
Img06239_small

ここからがよく分からない。このケーブルに自作バランの代わりにダミーロードを接続すると周波数に関係なくSWR値は一定値のグラフになる。しかし、自作バランを接続すると以下のグラフになる。ほぼ10MHz周期で谷がくる。そして、周波数が上がるにしたがって谷底は上に上がっていく。この周期は同軸ケーブルの長さで変化する。このグラフはおよそ10メートル長の同軸ケーブルでAA-1500とバランを接続した場合だ。およそ20メートルのケーブルに替えると周期は5MHz程度と半分近くになる。

23012022_154748

50MHz付近ではSWR=4程度となっている。けれどもワイヤーダイポール接続ではSWR=1.57だった。この違いは何なんだろう。

比較の為、アンテナテクノロジーのBL-5でも計ってみた。写真右がBL-5。
Img06240_small

同軸ケーブル長とSWR周期の関係は同じに見えるが、自作バランでみられた周波数上昇にともなう谷底の上昇の傾向はみられなかった。

23012022_155027

つまり、谷底の上昇は自作バラン特有の特性ということになる。

ちなみに屋根裏の50MHzワイヤーダイポールにBL-5を付けてSWR測定した結果が以下。49MHzにてSWR=1.03、リターンロス=35.38dB。良い性能を出している。
Bl550m

 

ここから先どうすれば良いかちょっと分からないので、とりあえずバランの平衡度を測定してみる。

ダミーロードを25Ωの直列としたのは中間点をGNDとしてその両端の電圧を測定するため。平衡度が出ていればそれぞれ逆相の波形が観測できるはずだ。
Img06238_small

測定する周波数はリターンロスが最も小さな周波数(つまり、最も高い電圧がダミーロードにかかる周波数)として26MHzとした。
50m50ohm

26MHzのリターンロスは19.4dB。
30012022_084222

デジタルオシロでの測定結果。真ん中はA+B波形で、平衡度はまあまあの状態に見える。
Ds1z_quickprint5

ということで、フロートバランとしての平衡度はまあまあな感じで、ワイヤーダイポールを接続した場合のSWR=1.57となった。これだけ見ると自作バランは「まぁ、こんなもん?」って感じにも見える。だけれどダミーロード接続の場合のSWR特性の説明ができない。

 

以下、今回調達したパーツリスト。今回製作に使ったもの以外もオーダーしてる。

秋月電子
Photo_20220130094302

千石電商
Photo_20220130094301

追記

ダミーロードをネジ固定する銅線をカットして短くしてみた。
Img06242_small

すると24.7MHzにてSWR=1.15、RL=23.02に改善した(グラフ緑線)。カット直前の値はSWR=1.34、RL=16.76(グラフオレンジ線)。エレメント側の銅線の長さはあまり気にしなくても良いといった情報を目にしていたが必ずしもそうではないみたいだ。
Photo_20220130200801

いずれにせよ、この挙動はバランの入力インピーダンスが周波数によって変化することが原因と思われる。実際SWRが山になるところでインピーダンスがピークになっている。
Photo_20220130204101

つづく。。。

2022年1月28日 (金)

軽二輪の名義変更ー備忘録

225㏄のセローの名義変更を、松本の陸運局に行って行ったので、その備忘録。

基本的にネットでダウンロードしたPDFのインクジェットプリンター印刷でOK。但し、縮尺などが異なるとNGが出て、陸運局の帳票での書き直しとなる。陸運局にいって帳票に記入するのも、やり直しで記入するのも同じなので、インクジェット印刷で書類を揃えて持っていくのが良い。

税金関係の帳票はネットでのダウンロードが出来なかった。ネットで書き方例があったのは4輪の物だったので要注意。結局窓口で初めて見る帳票を渡されて(ネットで書き方例でみた帳票とは異なっていた)、納税申告書(新所有者を納税者として登録)と、納税停止(旧所有者を納税者から削除)の2つの帳票を記入した。なので、これは現場での記入とならざるを得ない。バイクの諸元の記入は不要。車体番号だけ分かればOK。

11時45分で午前中の窓口は閉じるけれども、それ以前に窓口に行った申請者は11時45分後もフォローしてくれる。自分が納税関係の帳票を書き上げたのは11時50分過ぎだったけれども、窓口のおねえさんが「終わりましたか?」と聞いてきてくれて書きあがった帳票を持って行ってくれて処理してくれた。これで11時55分には処理完了で名義が変わった届出済証を渡してくれた。

まとめると、帳票記入を含めて30分もあれば名義変更(届出済証の再発行を含めて)の処理は終わる。ただし、繁忙期には時間がどうなるかはわからないけれども。松本の陸運局は車検場があるので広い駐車場がある(ただ繁忙期には駐車場はいっぱいになるかも)。

正直、11時45分になったら問答無用で窓口シャットダウンで午後1時まで待たないといけないと思っていたけれど、スタッフの皆さんのサポートの良さにはとっても感動した。松本の陸運局はすばらしい。

必要な書類は以下のとおり。

届出済証再交付申請
理由書
委任状(旧所有者の委任状。旧所有者の捺印が必要(だと思うが不要かも))
手数料納付書(手数料はかからないけれど納付書の提出を求められた)

届出済証記入申請(名義変更の申請)
届出済証(再交付してもらった旧所有者の届出済証)
譲渡証明(今は捺印は不要)
委任状(新所有者の捺印が必要(だと思うが不要かも))
手数料納付書(手数料は不要だけれど納付書の提出を求められた)
税申告書(新所有者で申告。会場でもらえる)
税停止申請(旧所有者の課税を停止。会場でもらえる。旧所有者の生年月日の記入欄あり。記入しなくても受け付けてもらえたかもしれない)
自賠責証書(保険期間が有効な保険証書)

名義変更では費用はかからない(タダだけど手数料納付書は出さないといけない)。
全てが無事終わると名義変更された届出済証が交付される。

2022年1月23日 (日)

起動しなくなったWindows10の修復-備忘録

起動しなくなったWindows10の修復を行ったので、その備忘録。

Window10が黒い画面で窓マークと回転マークの表示から先に進まない。途中で電源OFF/ONを行うと自動復旧と自動診断が走り出した。
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結局自動復旧は失敗。
Img06148_small

トラブルシューティングを実行。
Img06149_small

詳細オプションを選択。
Img06150_small

ここから更新プログラムのアンインストールとかシステムの復元とか試したけれどもいずれもNG。
Img06151_small

そこでスタートアップ設定に進む。
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「セーフモードとネットワークを有効にする」を選んで起動する。
Img06157_small

セーフモードでWindows10が立ち上がった。なんとかなりそいう。

コントロールパネルからWindows Updateの追加のトラブルシューティングを実行する。
Img06165_small

何かが破損していたようだ。とりあえず復旧ができた。
Img06166_small

この後、エクスプローラーでCドライブのプロパティからツールを選んでチェックを行う。エラーが報告された。

遅ればせながら、ここでBIOSメニューのHDD診断を行う。HDDはデバイスとしてはちゃんと機能していることが確認できた。
Img06167_small

再起動しても自動修復できないと報告される。Windows Updateの修復だけではだめで、Cドライブの論理修復が必要と理解した。そこで再びセーフモードでWindowsを立ち上げ、コマンドプロンプトで chkdsk c: /f を実行した。Cドライブはブートドライブなのでボリュームがロックされていてこの瞬間修復はできないけれど、次回の起動時に修復を自動実行する。

修復実行中の様子はこんな感じ。ちょっと時間がかかる。
Img06169_small

無事Windows10が立ち上がって、復活した。

結論からするとWindowsファイルシステムが壊れていて(不整合状態になっていて)、起動が出来なくなっていたようだ。なぜ、不整合状態になったかは不明だけれども、とりあえずこの方法で修復できることは分かった。

 

2022年1月20日 (木)

50MHzフロートバランのトロイダルコアとコイル巻き数

50MHz用フロートバランのトロイダルコアとコイル巻き数の計算の備忘録

FT50-43 spec
AL=440 +/- 20 % uH=(AL*Turns2)/1000

リアクタンス計算式
XL=ωL=2πfL
ω:角周波数(ω=2πf)[rad/s]
f:周波数[Hz]
L:コイルのインダクタンス[H]

計算例
FT-50-43に5回巻きで、50MHz
L = 440 x 5x5 / 1000 = 11 uH
XL= 2π x 11/1,000,000 x 50 x 1,000,000 = 2 x 3.14 x 11 x 50 = 3,454Ω


フロートバランの場合は60倍必要。特性インピーダンスが50オームの場合3,000Ω以上となる(なお、強制バランの場合は5倍とのこと)。

50Ω X 60 = 3,000Ω
なので最低5回巻きが必要ということになる。

FT114-43 Spec
AL=510 +/- 20 % uH=(AL*Turns2)/1000
5回巻き
L = 510 x 5x5 =12.75 uH
XL = 2π x 12.75 x 50 = 4,003.5Ω
4回巻き
2,562Ω なのでちょっと足りない。

FT50-43、FT114-43いずれも5回巻きが必要となる。

2022年1月15日 (土)

200mmレンズでの望遠撮影時のブレ

Canon EF 80-200 F2.8の200mmで山を撮影した際にブレが出た。カメラはEOS KISS X7i。

全体にブレる訳ではなくて、部分的にぶれている。F16、1/1000、三脚にて撮影している。
Img_3521

画面中央左下側の部分にブレがでている。
Img_35211
何枚か撮ったけれど、どれも場所は異なるものの部分的に同様のブレが発生している。

そこでミラーアップで撮影してみた。
Img_3527

随分と改善はしているようだけれども、同様の部分ブレが発生している。
Img_35271
シャッターが手押しだからいけないのかもしれない。シャッター速度が十分に速いにこのブレの発生は悩ましい。

ミラーアップ+セルフタイマーで撮影してみたけれども、やはり部分的なブレが発生する。

どうしたものやら。。。。

2022年1月14日 (金)

6M ロータリーダイポールの製作

6Mのロータリーダイポールを作る。

塩ビパイプをセンターに両側にアルミパイプを伸ばす構造にした。以下が図面。

50mhz_20220114210101

卓上ボール盤が欲しいところだけれども手元のハンドドリルで製作作業を実施。
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手持ちのアンテナテクノロジーのバランBL-5を接続する。
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アルミパイプとの導通を得るために、ナット側の穴はφ8を開けてナットが塩ビパイクを貫通するようにした。これでナットはアルミパイプに直接接続することになる。
Img06088_small

マスト固定の金具は日本アンテナの部材を利用している。
Img06090_small

エレメント延伸部分は、φ15mmのアルミパイプの中にφ11.5mmのアルミパイプを挿入する。この延伸部分でのアルミパイプ固定にはφ15mmのスプリングバンドを応用した。このスプリングバンドはホース固定用で、バイク整備用に購入したもの。
まずφ15mmのパイプに3mmネジ用ナットが入る6mmの穴を開ける。以下の写真がその穴にナットを入れたところ。
Img06097_small

このナットの上にスプリングバンドを被せ、ナットがバンドの穴の下に来るようにセットする。
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延伸部分の長さを決めてから、ナットにネジ締め込む。これでφ15mmパイプにφ11.5mmパイプが固定される。
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バラン取り付けネジからエレメント先端までを1300mmと仮固定してSWRを測定してみた。

地上高は3メートル、1/2λ。
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我ながらカッコいい―と思う。
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アンテナアナライザーRig Expert AA-1500 ZOOMでの測定結果がこれ。
50mdipole3mheight
SWR特性はこんな感じになっている。しかし、なんで山あり谷ありのこんな変な特性になっているんだろう。

同じバランでワイヤーダイポールでは以下の通りで、こんなグラフにならず。低い周波数側に若干の肩はあるものの谷が一つ。
50mhzwiredipoleunderroof

そういえば、、、アルミパイプ表面はアルマイト処理されていて、確かアルマイトは絶縁体のはず。。つまり、パイプを継ぎ足して延伸しているんだけれどもDC的には繋がっておらず、一本の導体エレメントにはなっていないかも。これが悪さをしているかもしれないと思った次第。実際テスターで測ってみると表面は絶縁されている。
Img06135_small

そこでアルミパイプ表面を磨いてアルマイト層を落としてみた。まずは延伸側の細いパイプの外側を磨く。
Img06136_small
延伸される側のパイプ内側も磨く。これでアルマイトは剥がれてアルミ表面が露出した(はず)。
Img06138_small

更に締め付けネジも2つにして、組み立て直してみた。そのSWRがこれ。
50mhzrotalydipoleafterpolishing2
ワイヤーダイポールと同じ波形になった。つまり、ワイヤー同様一本の導体エレメントとして機能するようになったんだと思う。
全ては「アルミパイプは導体」っていう思い込み。表面加工にご用心ってことだ。

次はバランを自作してその特性を調べてみたいと思う。

つづく。。。。

 

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