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2022年2月

2022年2月23日 (水)

マイクロ波ドップラーセンサーとラズパイ上のデジタルフィルター

秋月電子のドップラー動体検知キットを組み立てた。ゴールは心拍波形の取り出し。

キットの中身はこんな感じ(リレー実装用のユニバーサル基板も付いてる)。一番右がマイクロ波センサー。
Img06391_small

まずは抵抗の分類から、、、
Img06393_small

老眼が激しい老人にはキツイ作業。
Img06397_small

実装完了。
Img06401_small

マイクロ波センサーに取り付ける。実はこの時点ではセンサーの裏表が逆だった。段ボール紙に穴を開けてセンサーを取り付けたが、なんと尻を突っ込んでた。
Img06421_small

センサー方向を直して自分の拍動を測定。オシロスコープのプローブをアンプ出力(ノッチフィルターの前)に当ている。
Img06431_small

こんな感じで拍動が取得できた。波形の最初が乱れているのはオシロスコープのトリガーボタンを押す動作が検出されているため。
Ds1z_quickprint2

次にこの出力をADC MCP3028に接続して、Raspberry Pi 4で読み込む。
Img06445_small

ADCの下に実装しているのはシグナルレベルコンバーター。ドップラー動体検知キットは5VだけれどRaspberry Piは3.3V。このため5V/3.3Vのシグナルレベルコンバータが必要になる。
Img06446_small

デジタルフィルターで濾したあとの波形。ここで使ってるデジタルフィルターについては過去の投稿をに書いていある。通過域端周波数は1Hzに設定している。
Figure_1

きれいな波形(赤線)として鼓動を濾しとることができた。

2022年2月15日 (火)

車椅子タイヤ用泥除け移動シート

車椅子に乗ったままでデイサービスに行くとなると、家の中と送迎車との間の移動が問題となる。車椅子のタイヤに泥が付くのだ。特に雨の日は玄関先が泥化するので、タイヤの溝に泥が入り込んで厄介だ。そこで玄関先と送迎車との間の移動用にシートを作成した。

使ったのはPPプレート 90x180cm 一枚。コメリで748円。

カッターナイフにて真ん中を縦にカットし、二枚重ねて、20センチ間隔で6mmのドリルで穴を開ける。その穴に5mm幅の結束バンドを通して蝶つがいのような構成にする。真ん中の2つの結束バンドにアルミ線を通して取っ手にする。
Img06374_small

結束バンドでのPPプレートの組み合わせ。
Img06381_small_20220215192101

真ん中の結束バンドにアルミ線の取っ手を付ける。
Img06379_small_20220215192101

長さが180cmあるので、車を玄関先に付ければ、長さは足りる。
Img06375_small

真ん中のアルミ線の取っ手を持ち上げると幅45センチの二つ折りになる。なにしろ軽いのがいい。
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使ってる様子。
Img06378_small
車椅子のタイヤで変につぶれたりすることはなく、タイヤが通っても上を歩いても形状は回復した。

結構使えそう。

2022年2月10日 (木)

AA-1500 ZOOMのBluetooth

アンテナ・ケーブル アナライザー AA-1500 ZOOMのSetting画面を見ていたらブルーツース 有効/無効の設定があるのに気が付いた。

AA-1500はBluetoothでも接続ができるんだ!ってことで普段AA-1500をUSB接続しているノートPCでの接続を試みた。PCではAA-1500を検出してペアリングが完了した。けれども、、、、

PC上で動いているRigExpertアプリであるAntScopeのSetting画面にはBluetooth接続らしき選択がない。見た感じSerial Portのみのサポートにみえる。選択肢にあるCOM3, 4, 7, 8とも既に構成済みのCOMポートだ。つまりPC上のアプリはBluetooth経由でのAA-1500接続をサポートしていない(と判断した)。
Aa1500bluetooth

いろいろと調べてみるとAndroid用のAntScopeがあることが分かった。さっそくPlayストアからダウンロードしてみる。

AntScopeをスタートすると早速Bluetoothでアンテナアナライザーを探しにいっている。AA-1500をタップすることで接続が完了する。
Screenshot_20220210092059_20220210092601

測定範囲を設定する。
Screenshot_20220210084254

SWRの測定を実行。
Screenshot_20220210084238

放っておいたらBluetooth Timeoutになった。
Screenshot_20220210084445  

以上よりBluetoothはPCアプリではなくスマホアプリで使用する前提のようだとわかった。

昔自分も英語マニュアルを日本語化するときに悩んだけれども(今は会社の翻訳ガイドがあって悩むことはない)、Bluetoothをブルーツースと訳すのはちょっと違和感を感じる。。。。

2022年2月 9日 (水)

AA-1500 ZOOMでキャパシタ測定

RigExpertのアンテナ・ケーブル アナライザー AA-1500 ZOOMを使ってキャパシタを測定してみたのでその記録。

AA-1500はR・XチャートにてLC素子の測定が出来るとある。で、実際に行ってみた。測定に先立って測定クリップを作成した。Mコネクターのメスにクリップを半田付けした。
Img06322_small

このMコネクターをAA-1500に接続した。コネクター変換アダプターがちょっとコテコテになっているがしょうがない。
Img06321_small

測定に使ったキャパシタは以下のキットを使った。精度がどの程度のものか分からないけれど、大体の目安にはなると思う。
Img06323_small

AA-1500のマニュアルによるとキャパシタの値をQ=-25からQ=-100の間で読むように(そう解釈したけれど)と書かれている。そこでQ=-25とQ=-100で測定値を取得した。キャパシタはそれぞれの容量で1個だけを測定した。

  Q=-25 Q=-100
100pF 191.5 99.1
330pF 374.6 230.5
680pF 650.7 465
1000pF 873.7 674.4
2200pF 2200 1900
4700pF 4700 4400
10000pF 9000 8900

結果を見ると330pF以上ではQ=-100にてキャパシタの表示容量の10%以内の誤差で値が得られている。100pFはQ=-25で191pFとちょっと様子が違うので別のキャパシタで測ってみた。
Img06324_small
このキャパシタでも様子は一緒だったので、キャパシタンスが小さくなるとこういった傾向になるのかもしれない。

  Q=-25 Q=-100
100pF 189.1 97.2

とりあえずCメーターとして使えそうな気がする。

2022年2月 8日 (火)

進行波と反射波の関係 - 備忘録

SWRの送信電力の視点から考察する、というかOMの知恵をまとめた備忘録。

OMの知恵をエクセルに落としてみた。進行波と反射波が見かけ上の波ということで、計算することでその波の大きさが分かるとのこと。やはり送信機出力がアンテナ給電点でどうなるかを知りたいので送信機出力からアンテナ電力を逆算をしてみた。

SWR 3.000  
線路損失 0.794  
     
ANT電力から送信機出力を求める  
ANT電力 7.100  
ANT給電点の進行波電力 9.467 ((SWR+1)^2)/(4*SWR)
ANT給電点の反射波電力 2.367 ((SWR-1)^2)/(4*SWR)
送信機端の進行波電力 11.923 ANT給電点の進行波電力/線路損失
送信機端の反射波電力 1.879 ANT給電点の反射波電力*線路損失
送信機出力 10.044 進行波電力-反射波電力
     
送信機出力からANT電力を求める  
送信機出力 10.000  
A 1.679  A=(((SWR+1)^2)/(4*SWR))/損失
B 0.265  B=(((SWR-1)^2)/(4*SWR))*損失
ANT電力 7.069 送信機電力/(A-B)

ダウンロード - txantpower.xlsx

線路損失は10メートルの5D-2Vを145MHzで使用した場合の損失として0.794を入れている。この値はJARLのライブラリーを参照(損失とdB→%換算)した。

SWR=3でも10Wの送信機出力に対して約7Wがアンテナに送り込まれるとわかる。SWR=3というと可也悪い値に思えるがおよそ70%がアンテナに送り込まれるわけだ。

OMの知恵ではアンテナ給電点での電力(ANT電力)からストーリーが始まっている。特定のSWR値の下で、所望のANT電力を得るためには進行波電力がこの値である(反射波電力がこの値になるから)必要があると読める。そして、それらの値から線路損失を考慮して送端での進行波と反射波の電力はこうなり、進行と反射の収支をあわせることで送信機出力が決まるわけだ。でも、送信機側からこのストーリーを見るとなんとも腑に落ちない。というのも送信機出力とはかけ離れた電力がいきなり送端に入力されることになるからだ。つまり、送信機側からすると何とも変に思える。そこで、今一度送信機出力端に注目してみる。下図では送信機出力が10.044Wだ。これに反射で帰ってきた電力を加算すると進行波電力になる。つまり、進行波電力は送信機出力に反射波電力を加算したものなのだな。

Photo_20220208132901

しかし未だにピンとこないのが線路損失が1(つまり損失無し)の場合の計算値だ。この場合、SWR=3でも送信機出力の100%がアンテナに送り込まれる。アンテナ給電点での進行はは13.333W、反射波は3.333Wで差し引きで10Wがアンテナに送り込まれるという計算になっている。

SWR 3.000  
線路損失 1.000  
     
ANT電力から送信機出力を求める  
ANT電力 7.100  
ANT給電点の進行波電力 9.467 ((SWR+1)^2)/(4*SWR)
ANT給電点の反射波電力 2.367 ((SWR-1)^2)/(4*SWR)
送信機端の進行波電力 9.467 ANT給電点の進行波電力/線路損失
送信機端の反射波電力 2.367 ANT給電点の反射波電力*線路損失
送信機出力 7.100 進行波電力-反射波電力
     
送信機出力からANT電力を求める  
送信機出力 10.000  
A 1.333  A=(((SWR+1)^2)/(4*SWR))/損失
B 0.333  B=(((SWR-1)^2)/(4*SWR))*損失
ANT電力 10.000 送信機出力/(A-B)

この関係を図にすると以下となる。

Photo_20220208192601

アンテナ給電点から進行波電力の25%にあたる3.333Wが送信端に返ってきて、これに送信出力10Wが加わって13.333Wとなり、その25%の3.333Wが送信端に返ってくるという仕組みだ。なんともすっきりしない。10Wが入ってきて、25%が戻ってきて、それに入ってきた10Wが加わって、その25%が戻ってきて、、、ということを繰り返して安定するとこうなるんだろうか。系のなかでの損失が無いわけだからこうなるんだろうなぁとは思うが。

2022年2月 6日 (日)

フロートバランの製作 その4

これで4つ目、同軸ケーブルを使ったソーターバランを作った。ここでは月刊FBの記事を参照した。

ここまでで得られた結論から先に書くと、50MHzのバランは単にコイルや同軸ケーブルをトロイダルコアに巻いただけでは損失が大きく、実用に耐えるにはインピーダンスマッチングが必要ということ。なので、4つ目ではインピーダンスマッチングを行うことで完成となった。

トロイダルコアと同軸ケーブルは千石電商からネット調達した。千石電商は秋葉原系の他のネット通販とは一味違ってマニアックな品揃えになっているようだ。
Partslist

Img06269_small

トロイダルコアに同軸ケーブル固定用の結束バンドを取り付ける。
Img06273_small

同軸ケーブルは6回巻いてからコアの真ん中を通して向かい側に回して更に6回巻く。合計12回巻き。
Img06274_small

両端の被覆をカット。
Img06276_small

コアをボックス内にセットする。
Img06277_small

アンテナアナライザーAA-1500に直接接続をしてSWRを測定する。変換コネクターを幾つか使ってこんな感じで測定した。
Img06280_small

赤線が今回製作したバラン。紫線がBL-5、緑線がFT-50-43でのコイル5回巻き。50MHz付近ではSWRが上昇している。 Swrbl5ft5043
グラフ1

ここで、なんでこうなっているのか考える。

そもそもSWRは反射係数 Γ = |(ZL-ZO)/(ZL+ZO)| で得られ、SWR = (1+Γ)/(1-Γ) で得られる。 
ZL:負荷インピーダンス、ZO:線路の特性インピーダンス

つまり、周波数の上昇にともなってSWRが上昇するということは負荷インピーダンスつまりバランの入力インピーダンスが変化する(線路の特性インピーダンスとバランの入力インピーダンスとの差分が大きくなる)ということと解釈できる。

そこで50MHzワイヤーダイポールにバランを接続してSWR値を比較してみた。BL-5ではSWR=1.01(赤線)、同軸バランではSWR=1.50(紫線)となった。上記の50MHzでの同軸バランの入力インピーダンス変化がこの差になって表れているんだろうと思う。
Bl5swr
グラフ2

実際AA-1500のスミスチャートで比較をしてみると一目瞭然となっている。BL-5はワイヤーダイポールの共振周波数である48.8MHzあたりでR=1.0中心点(リアクタンス=0のライン)にプロットされる(赤線)。
Bl5smith
グラフ3

一方同軸バランは48.6MHzにてSWR=1.51となり(紫線)、その際Z=64.89-j18.38となっていて、|Z|=67.44となっている。つまり、入力抵抗値も大きくなるとともに、容量成分のリアクタンスが発生していて、R=1.0の中心点から外れている。
Bl5smith2
グラフ4

改めてグラフ1を見ると14MHzあたりからBL-5とのSWR差が生じている。つまり、14MHz以下であればダイポールアンテナ接続時にBL-5と同等の性能を出すことができるだろうが、周波数がその辺りを超えるとインピーダンスマッチングが必要になるということを示唆しているのだろう。インピーダンスマッチング回路はどうなるのか、このあたりの計算をMr.Smithで行ってみた。このアプリは超スグレモノで、スミスチャートど素人の私でもインピーダンスマッチング回路設計ができてしまうのだ。スタートポイント(Marker 0)はアンテナアナライザーが示したZ=64.89-j18.38。そこからキャパシタをパラレル接続してR=1の等レジスタンス線のMarker 1に移動する。その後インダクターをシリアル接続してR=1の中心点、Marker 2に移動する。
Photo_20220206103201

上記2ステップの移動をまとめると、50MHzでインピーダンスを50Ω(R=1.0)にマッチングするには以下の回路が必要との結果になった。

Photo_20220206105101

キャパシタは手持ちの22pFセラミックコンデンサーを使った。コイルは計算の結果、5mm径で4ターンのコイルで108nHとなることが分かったので自作した。3D-2Vのケーブル被覆が丁度良い寸法だったので、そこに0.35mmのUEW線を4回巻いた。
Img06285_small

このコンデンサーとコイルをバランの箱内に実装した。
Img06288_hdr_small

アンテナアナライザーに直結した状態でのSWR変化は以下の通り。赤線がインピーダンスマッチング回路付きで、紫線が同回路なし。50MHz付近ではSWRが下がっている。つまり線路の特性インピーダンスとバランの入力インピーダンスの差分が小さくなったというわけだ。
Imp
グラフ5

インピーダンス変換回路付きでダイポールアンテナに接続してみた。SWR=1.16まで下がった(赤線)。緑線は同回路なしのSWR。結構改善がみられる。
Imp_20220206141601

改善の様子をSmithチャートで見てみると、ほぼ狙い通りになっていることがわかる。48.5MHzではチャートの中心の一歩手前まで移動している。
Smith
グラフ7

少なくともR=1.0の等レジスタンス線上に軌跡が来ているので、キャパシタは22pFで正解だったことになる。インダクタをもうちょっと増やすと容量性リアクタンスをゼロにもっていけそうだ。そこでコイルを4回巻きから5回巻きに1ターン増やしてみた。

結果は大正解で、Z = 49.99 + J0.63 まで追い込むことができた。
5smith
グラフ8

結果としてSWR=1.01、RL=44.01と理想的なところになった。
5swr
グラフ9

このバランに25Ω抵抗をシリアルに接続し50Ωとし、中間点をGNDにして両端の電圧をオシロスコープで測定することでバランス度合を確認する。アンテナアナライザをSWRメータモードにして48.6MHzのSWRを測定した。こうすることでバランに48.6MHzの信号が送り込まれる。
Img06289_small

真ん中の紫色の線がA+B。ほぼ平坦で平衡度が得られていることが確認できた。
Imp486mhz

結果:
以下のCLにてインピーダンスマッチング回路をバラン入力点に構成し50MHzでのバラン入力インピーダンスを50Ωすることで低損失のソーターバランとして機能する。
C=22pF
L=5mm径で5ターンのコイル。多分108nHあたり。

少なくとも50MHz辺りではバランの入力インピーダンスが同軸ケーブルの特性インピーダンスである50Ωから外れて、それにより反射係数が上昇しSWRが劣化していると判断できた。50MHz辺りでのバランの入力インピーダンスが50Ωになるようにインピーダンスマッチング回路を挿入すると、50MHzでのSWRは劇的に改善する。つまり反射係数が小さくなる。

今回追加実装したインピーダンス変換回路をそれなりの出力に耐えられるように実装すれば、この同軸ケーブルを使ったソーターバランは50MHzでも使えそうだ。とにかく勉強になった。

2022年2月 2日 (水)

フロートバランの製作 その3

FT-50-43を使ってみた。

0.5mmのUEW線を使う。
Img06249_small

UEW線を撚ってトロイダルコアに5回巻く。
Img06250_small

特性はFT-114-43とほとんど同じ。
Img06252_small

屋根裏の50MHzダイポールに接続してみたがSWR=1.78と思わしくない。BL-5はSWR=1.01になっている。
Ft50435

そこでこの自作バランとBL-5のインピーダンスグラフを比較してみた。BL-5は共振周波数である48MHzでR=49Ω、一方自作バランはR=88Ωとなっている。この入力抵抗値の差がSWRの差になっていると思われる。
50mbl5

しかし、入力抵抗値を変えるにどうしたらいいのだろう???同じワイヤーダイポールを接続しているBL-5とは差があるのでアンテナワイヤーを調整してどうのこうのという話ではないのではないだろうか。

そこでトロイダルコアに巻いているUEW線の巻き数を3回に変えて特性が変化するか調べてみた。

結果は5回巻きも3回巻きもほぼ同じで変化は見られなかった。以下のグラフは両方のケースの特性を重ねているけれどほぼぴったり。
Ft504353

どうしたらいいのだろう???

トロイダルコアを変えても、巻き数を変えても同じ(いまのところ)となると自作バランをBL-5と同じ特性にするには次に何をすればいいのだろう。BL-5は強制バランだろうから、もともと違うモノと言えばそうなんだけれども、、、、

追加

トロイダルコアへの巻き数を3に減らしても状況は変わらなかった。Img06262_small_20220206085401

何をどうしたら良いのかわからない。。。。

 

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