EchoLinkでHAMSTIR STとHAMSTIR Xを使っている。HAMSTIR XはWIRES-Xとの相互接続のために使用。今回の構成でEchoLink側のみ、おかしな動作をするので、まずは現状の記録から。
システムの全体構成図は以下のとおり。

ここでの「おかしな動き」とは以下の通り。
- EchoLinkのUserノードからSysOpノードであるJA0WBT-Lに接続し、Transmitする。SysOpノードはRXモードになり、Userノードからの音声はHAMSTIR ST→HAMSTIR X→FTM-100Dと送られ、FTM-100Dより送信される。またHAMSTIR X→HRI-200を経由してWIRES-Xノードが接続しているWIRES-X Roomにも転送される。ここまでは想定通り。
- EchoLinkのUserノードがTransmitを終了すると、EchoLink SysOpノードはアイドル状態になり、FTM-100DおよびHRI-200を通した送信は停止する。ここまでも想定通り。
- この後(SysOpノードがアイドル状態になって1秒未満)、SysOpノードはTXモードになりUserノードに信号を(勝手に)送る。UserノードはRXモードになり、Transmitができなくなる。ここがおかしな動き。この状態では、SysOpノードはTXモードになるがWIRES-X側は送信状態にはならない。つまりEchoLink側だけが勝手にTX状態になる。なお、この現象はFTM-100Dの電源がONになっている場合にのみ発生する。
上記動作をイラストで表すと以下のとおり。
1.

2.

3.

この現象をEchoLink SysOp画面で見ると以下となる。

この現象の観察を通して、現時点で以下の結論に到達している。
- 本現象(勝手にTXがONになる)はFTM-100Dの電源が入っている場合にのみ起きる。仮にFTM-100Dが変な動きをしている(電波を受信していないのに受信データをHAMSTIR Xに送っている)とすると、EchoLinkとWIRES-Xの両方が送信するはずだ。よってFTM-100Dの動作が異常だとは言えない(FTM-100DはEchoLinkだけにおかしな信号を送ることはできない)。
- FTM-100Dの電源が入っていない状態では、EchoLinkとWIRES-X間の相互通信は問題なく実行され、本現象も発生しない。よって、HAMSTIR STに問題があるとは思えない。
- 以上より、FTM-100Dの電源状態(信号状態)を認識することができ、EchoLink側だけにおかしな信号を送ることが出来る(EchoLinkとWIRES-Xに対して別々のインターフェースを持っている)HAMSTIR Xの動作があやしい。
要追加調査。。。。。
解決!!
HAMSTIRの開発元であるOneChipDesignより大変貴重な情報を頂く事ができ、無事問題が解消したので以下にその情報を転記(一部編集)。
問題のポイントは、送信時スケルチ出力の設定です。
[TX]: ON(初期値)にすると、送信時 Hレベルの信号が出力するようで、
受信に戻った時の Lレベルに戻るタイミングのバラツキで、
EchoLinkの方が受信信号有りと判断してしまい誤動作になるようです。
・FTM-100の設定例 (WIRES-Xノード局モードにはしない)
設定画面に入るには、[DISP SETUP]ボタンを長押しします。
[DATA] =>[1.COM PORT SETTING] =>[COM OUTPUT] : PACKET
[DATA] =>[2.DATA SPEED] : DATA 1200 bps
[DATA] =>[3.DATA SQUELCH] : 2 TX OFF
・FTM-400の設定例
設定画面に入るには、[DISP]ボタンを長押しします。(HRI-200制御モードにはしない)
[TX/RX] =>[AUDIO] =>[MIC GAIN] : NORMAL
[DATA] =>[COM PORT SETTING] =>[OUTPUT] : OFF(camera)
[DATA] =>[DATA BAND SELECT] =>[DATA] : MAIN BAND
[DATA] =>[DATA] : 1200bps
[DATA] =>[DATA SQUELCH] =>[DATA] : TX/RX BAND
[DATA] =>[DATA SQUELCH] =>[TX] : OFF
いやぁ、FTM-100Dのマニュアルは見たつもりが、DATA SQUELCHなる設定がある事には気が付かなった。スケルチ設定のところはいろいろと設定してみたものの、それは実際の電波受信時のスケルチ設定のところどまりだった。
やはり技術力のある会社さんの製品はこういったテクニカルサポートもすごく魅力的なところだ。深々と感謝!!!