APRS I-Gateの設置
APRS I-Gateサーバーを構成したので、その備忘録。
木曽谷はAPRS空白地帯。一方で中央アルプスへの登山道が何本もある。それらの登山道の多くのエリアが携帯圏外。ここでの遭難防止のためにAPRSを活用したいのだが、空白地帯故に役に立たない。これは新たに立ち上げるしかない。
で、とりあず実験システムの構成。
ヤフオク!でゲットしたFT-7800とメルカリでゲットしたThinkCentraで構成した。アンテナは軒先ホイップアンテナ。とりあえずFT7-7800の外部スピーカー端子をThinkCentraのマイク端子に直結した。
ThinkCentraはWindows 11、TNCはAWG Packet Engine、サーバーにはUI-VIEW32で接続した。全体の実験構成は以下。
I-Gateサーバーとして使っているLenovo ThinkCentre。FT-7800の外部スピーカー端子からマイク入力端子に直結している。ThinkCentraに外部スピーカーを取り付け、マイク入力をスピーカーモニターする構成にしてFT-7800からの音声入力をThinkCentraにてモニターしている。
Software TNC、AGWPEをダウンロードする。この時AGW Monitorも一緒にダウンロードする。具体的な設定方法についてはソフトウエアTNCの解説を参考にした。AGW MonitorはAGW Monitorが実際にデコードできるかをチェックする。チェックの際、トランシーバーの音声出力レベルやPCのマイク入力レベルを調整することになる。
UI-VIEW32のインストールについては、いろいろなWEBページがあるが、どれも10年以上前とかなり古い。けれども、逆にそれ以降このアプリケーションは変更がなく、かつそれ以降あまりインストール事例報告がないともいえる。今回は、以下の3WEBページを参考にさせて頂いた。
細かなパラメータ設定は最初の2つに大変助けて頂いた。3つ目には命を救われたように思う。特に今回はWindows 11でのインストールだったのだけれど、アプリの互換性設定についてはめちゃくちゃ貴重な経験を共有いただいた(こころより感謝)。
以下、ちょっとハマったところの備忘録。
真っ先に行うComms Setupでつまづいた。そもそもこのCOMポート設定って何なんだろうってことになるわけだけれど、UI-VIEW32がデータを取得する元はTNCで、ハードウエアTNCの場合はRS-232CでPCと接続するのだろう(これに思い当たるのにちょっと時間がかかった)。であれば、ソフトウエアTNCを使っている場合はどうなるのか???先の3つのWEBページの2つ目に答えがあった、Host modeでAGWPEを選べばよいのだ。これで解決した。
Setup -> APRS Server Setupで接続先となるAPRSサーバーを指定する。ここでは先のWEBページのガイドに沿ってaprsjp.net:14579を設定した。しかし、いつまで経っても自分の存在がMap上に現れない。そこで、Option -> Show IGATE Trafficを選んでRF to Internet Trafficを見てみたが、Trafficがない。つまり、サーバーとの通信がないわけだ。そもそも、APRS Server Setupで設定したサーバーにどういタイミングでログインするのか???Server SetupダイアログでOkボタンをクリックしたらログインするのか???どうもそこの理解が正しくなかったようだ。Actionメニューを見るとAction -> Connect to APRS Serverとある。ここをクリックしてみた。何度かTimeoutが起きたけれど、数回のチャレンジのあと、無事APRS Serverに接続した。接続するとMap上に沢山のノードが表示され、IGATE TrafficのRF to the Internetにも、ビーコン受信に合わせてトラフィックがレポートされた。
APRS Serverに接続した後のAction Menu。
次にMap上のシンボル設定。ネットで公開されているシンボル設定に従ってシンボルを設定した。
No Diam’dでR(I-Gate単体でReceive Only)に設定した。
さてさて、これでI-Gateサーバーが動くようになったので、FT3D(暫定的にTX Interval=1分に設定)を携帯して自動車にて近所を走ってみた。以下がその結果。
1分は自動車としては案外長い(移動する)。
とりあえず基礎実験が完了した。今後は以下のテーマで先に進むこととする。
- 携帯圏外(中央アルプス登山道)でのARPS電波受信実験
- パケット認識率向上のためのチューニング(現在は無線機とスピーカー出力とPCのマイク入力直結)
- 双方向通信の為の環境構築
- 9600bpsでの運用実験
まずはめでたし、めでたし。
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