PICO TNCの製作 その2
PICO TNC製作の続編その2。
事前設定したインターバルで、ハンディ―トランシーバーのマイク端子経由にてMic-EフォーマットでGPSデータを送信することができるようになった。
PICO TNC コマンドの使い方
- mycall JA0WBT または JA0WBT-7 : SSID有無どちらでもよい。mycallを設定しないとBeaconは出ない。
- unproto JA0WBT V WIDE1-1 : Vの前はDestination Addressだが、ソフトウエア内部でMic-E形式のDestinationに上書きするようにした。なのでどんな文字列でも構わない。Vの後はデジパス1でNewパラダイムに従ってWIDE1-1を指定する。
- digi ON : デジパスを指定しているのでONを指定する。
- gps $GNGGA : プロトタイプに接続しているGPSモジュールのGGAフォーマットは$GNGGAと頭に付けてくるのでそれを指定する。これ以外のフォーマットタイプは今はサポートしていない。
- btext HelloWorld : BeaconのInformationに付加する自由テキスト。
- beacon every n : Beacon発生インターバル。n=1で1/6秒。最大360=60分。
- PERM : パラメータを設定したら実行。これにより設定したパラメータ値がFlashメモリーに保存され、パワーサイクルでも消えない。
以下がdispコマンド実行結果。MYALIASは設定しなくてもよい。
disp
ECHO ON
TXDELAY 100
GPS $GNGGA
TRace OFF
MONitor ALL
DIGIpeater ON
BEACON On EVERY 6
UNPROTO SUTPW8 V WIDE1-1
MYCALL JA0WBT-7
MYALIAS JA0WBT
BTEXT HelloWorld
OK
cmd:
送信されるパケットデータ
PICOの出力(トランシーバーのマイク入力)を入力(トランシーバーのスピーカ出力)にループさせてPICO TNCにて自分の出力を自分でデコードさせた。さらに実際にトランシーバー(FT-70D)のマイク入力に接続し、電波送信してI-Gateにて受信した。その受信した結果が以下:
17:43:53R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1 Port=1 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
17:43:53R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1 Port=2 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
17:43:55R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1* Port=1 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
17:43:55R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1* Port=2 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
I-Gateは2ポート設定しているので(1ポートにする方法がわからん)、同じ電波信号をPort1とPort2で2回取り込んでいる。最初のペアがPICO TNCが生成したフレームで、次のペアがPICO TNC内でループバックして再送信した信号になる。ループバックした信号はデジピートしたことになるのでWIDE1-1の後ろに*が付加されている。
Digipeaterとしての機能
Digipeaterとしの機能を確認する。FT3Dからビーコンを送信し、それをFT-70Dで受信。FT-70DのSpeakerをPICO TNCの入力に接続し、MicをPICO TNCの出力に接続した。
結果は、FT3Dからのビーコン(上図①)はFT-70Dでビーコン再送(上図④)された。そのビーコンはFT3Dで受信することができた(以下写真)。一方、UI-VIEW32はFT3Dからのビーコン(上図①)は受信表示したが、FT-70Dからのビーコン再送(上図④)は受信表示されなかった。
考察として、UI-VIEW32はオリジナル信号を受信した後に、そのデジピート信号を受信した場合、それは受信表示しないのではないかと思われる。もしそれを許したら、同じ信号をデジピートの分だけ何度もI-Gateしてしまうから。一方、FT3Dは自分が発信した信号のデジピートであっても自分以外の送信機からの信号なのでそのまま表示したのだと思う。
UI-VIEW32のTerminalで確認したところ、上記の通りと判断できる。以下がTerminalの表示内容。3つ目のWIDE1-1に*が付いているのでデジピートされた信号と判断される。デジピートしたのはPico TNCになるので、Pico TNCはちゃんとデジピートしているのだけれど、それをUI-VIEW32がInternetには送り出さなかったということだ。
19:34:21R JA0WBT-7>SUTPW7,WIDE1-1 Port=1 <UI R Len=17>:
`AB(l!m[/`"9l}_0
19:34:21R JA0WBT-7>SUTPW7,WIDE1-1 Port=2 <UI R Len=17>:
`AB(l!m[/`"9l}_0
19:34:22R JA0WBT-7>SUTPW7,WIDE1-1* Port=2 <UI R Len=17>:
`AB(l!m[/`"9l}_0
乾電池駆動について
この実験に際して、PICO TNCを単四乾電池2本で駆動した。5分インターバルで一晩ビーコンを出し、朝停波。その状態で実験を続けていたところ午後3時ころには電池がなくなった(Watchdog Timer Failure発生)。結構電力を消費している。
基板への実装とケースへの取り付け
ブレッドボードに作った回路を
この回路をユニバーサル基板に配置する。
ダイソーの3個100円のケースにいれる。RS232Cのボードもユニバーサル基板に実装した。
実験結果はまずまず良好で、基本機能が動作することを確認できた。
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