トランシーバのマイクとPTTが一本の線にまとめられている件
FT-70DとかFT3Dとかのハンディトランシーバーではマイク端子とPTT端子が一つにまとめられている。
MICとPTTが一本の線にまとめられているってどういう事なんだろうってことで調べてみた。
Yaesu スピーカーマイクSSM-17Aのピンジャックの信号配列は以下のようになっているようだ。他の資料などを見るとSPとMIC/PTTの間の電極はDATA/Cloneとなっているが、このスピーカーマイクでは未使用だと思う。
MIC/PTTとGNDの間の抵抗値をテスターで測ってみた。PTTを押さない場合は絶縁状態、PTTを押すと633Ωとなった。
いろいろな資料を見てみて、この仕組みを回路にまとめると以下のようだ。テスターで測定した633Ωは回路図のR01にあたる。つまり、PTTを押すとMICラインが633Ωで接地されるわけだ。トランシーバー側はこのMICラインがPNPトランジスタのベースに繋がっているようで、PTTが押されるとトランジスタがオンになる。これがトランシーバー内でSEND信号になるようだ。一方MICはコンデンサーCを介してAC成分だけがMIC信号として取り出される。ここでR01の抵抗値はトランシーバー内のR02との関係で適切な値に設定し、ベース電流が流れるようにしないといけない。実験ではR01が2KΩではPTTが効いたが、10KΩではPTTが効かなかった。
とりあえずR01はスピーカーマイクでの測定値に近い680Ω位に設定すれば安心なんだろうと思う。
スピーカーマイクの代わりにTNCを取り付けた場合、PTT信号を使って以下の回路を構成すればよい。この回路ではPTTオンがHIGHを前提としている。
実験の結果680Ωでこの回路でも動作を確認した。
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コメント
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FT70D用にデスクトップマイクを制作中ですがSPとMIC/PTTを短絡しないと送信になりませんです、普通はPTTとGRND
間にPTT SWで送信されるとおもいますが
投稿: | 2025年5月 9日 (金) 11時17分
コメントありがとうございました。
MICとPTTが同じラインって仕組み、ちょっと悩みました。これはAC信号(音声)とDC信号(PTT)が同一ラインなんだって理解でした。で、AC信号を残したままでPTTをON/OFFする仕組みということで、この理解となりました。FT70Dを使った自作制御ボックス(PICO TNC)はこの理解で回路を組んで動いています。間違って理解しているところがあるかもしれませんが、とりあえず結果オーライってところです。
投稿: pathpilot | 2025年5月10日 (土) 06時16分