アンテナアナライザーAA-1500でのケーブルインピーダンス測定について
Facebook RigExpertグループに投稿した内容をこちらにまとめておく。
事の発端はローカル局のアンテナ調査。6m同軸ケーブルでSWR=1.9位になる件。同じアンテナで10mだとSWR=1.1。そこで、ケーブル・インピーダンスを計ろうと思ったことが事の始まり。
ケーブル端に50Ωのダミーロードを付けてケーブルSWRとR,Xを測定したが、SWR=1.45、R=72Ωと出た。ちょっと変なので、AA-1500に直接ダミーロードを付けて測定した。
Photo-1がダミーロードを取り付けているところ。Photo-4でDC抵抗が50Ωであることを確認。
この状態でもSWR=1.44(Photo-2)、R=72.75Ω(Photo-3)。System Impedanceは50ohmとなっている(Photo-5)。何かがおかしい感じがするのでSelf testを実施したらLoad Testにて232エラーとなった。232エラーが何を意味するかわからないけれど、Self Testがエラーに終わったのはわかる。
この状況をRigExpertグループにて報告したら、ダミーロードが3GHzまで対応するアダプターなしのダミーロードでないのがいけないとのコメントをいただいた。いいかげんなダミーロード取り付けが原因でSelf Testがエラーになるという指摘は反論することができないが、この状態でR=72.75ohmというR,X Chartが出てくることは納得がいかない。50Ωのダミーロード直付けでR=72ってのはどう見ても変だ。
Self TestがちゃんとしたダミーロードならPassするのだろうか?これはちゃんとしたダミーロードを買って試してみるしかない。一方AA-1500にはCalibration機能がある。カジュアルな方法になるけれども手持ちのダミーロードでキャリブレーションしてみたくなった。そのうえでケーブルインピーダンスを計ろうと思う。
まず同軸ケーブルの等価回路から特性インピーダンスを求める計算式を設定する。測定はRG58/1.5mと5D2V/6mの2本で行った。Open、Short試験でのShortではM型メスコネクターにて芯線と外被線をショートさせた。
それぞれのケーブルの特性インピーダンスはともに70Ω程度となった。50Ωのダミーロードを直結した状態とほぼ同じだ。なので、系としてはちゃんと動作している感じだが、インピーダンスが50Ωから随分と外れている。
そこでCalibrationを実行。
キャリブレーション後のケーブルインピーダンスはおよそ50Ωと算出された。こうならないとおかしい。
実際のアンテナのSWRがCalibration適用有無でどう変化するかを確認した。
SWRの変化の様相は周波数によって異なることがわかる。ただ、思いのほかCalibrationの影響が現れていない感じもする。周波数によってSWR値が変化する(10MHz)場合とSWR値はそれほど大きく変化しないが共振点が変化する(14MHz)場合があることがわかる。
よくよく考えてみるに、なぜCalibration機能があるのだろう?ここについてはもう少し考えてみたい。
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