wsappxの停止、スタートメニュー表示なし、検索不可に関する対応方法メモ
Windows 10における以下問題の対応と方針
- wappxのシステムリソース消費大
- スタートメニュー表示なし
- 検索欄に入力できない
作業記録
gpeditにてwappxを未構成に設定。ターゲットPCは既に有効に設定してあった。有効設定でもwappxは可也のCPUとメモリーの両リソースを消費していた。
Regeditにてsvchostのwappxをclipsvc AppXSvcからNotFound AppXSvcに変更
以上でCPU使用率およびメモリー使用率はかなり低下した。
その他問題で実施したこと
スタートメニューが現れない件(参照リンク)
以下を試したが効果なし。
システムファイルの整合性等の確認
- DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- sfc /scannow
システム必須アプリの再導入、PowerShellから以下を実行
- Get-AppXPackage -AllUsers |Where-Object {$_.InstallLocation -like “*SystemApps*”} | Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register “$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml” -Verbose}
この実行は10時間以上時間がかかる。Powershellは途中でエラー終了してしまった。
検索入力が出来ない件(参照リンク)
以下を試したが効果なし。
- ctfmon
- コマンドプロンプト管理者権限で以下を実行
REG ADD HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run /v ctfmon /t REG_SZ /d CTFMON.EXE
復帰ポイント12月23日に戻す(Edgeのインストールがおこなわれていたようだ)-> 戻すことはできたが
スタートアップオプションからスタートアップ修復 -> スタートアップ修復するものがない
セーフモードからの回復、更新プログラム実施前に戻す -> 更新から10日以上経過していると戻せない
--------
上記いずれもNG。イベントビューアをみると以下のエラーが多発している。
障害が発生しているアプリケーション名 TextInputHost.exe
障害が発生しているモジュール名 KERNELBASE.DLL
TextInputHostに障害が発生すると日本語変換にも影響がでるらしい(参照リンク)。
このTextInputHostのエラーがスタートメニューや検索での問題を引き起こしている可能性が高いと判断。上記参照リンクではインプレースアップグレードによる修復でリカバリー成功している。
TextInputHostに関する修正がKB5019157にて昨年Windows11に適用されている。恐らくWindows10にも適用がされたのではないかと思うが記録なし。ターゲットPCでは12月15日更新プログラムが適用された記録があるので、この変更がエラーの引き金になっている可能性が高い。しかし、更新から10日以上経過していると更新前には戻せないようだ。
KERNELBASE.DLLが何でエラーを出し続けているかは不明。何かしら入力デバイス(タッチパッドなど)から異常な入力が頻発するとこうなるのだろうか?こうなるとインプレースアップグレードが視野に入ってくる。デバイスマネージャでタッチパッドをアンインストールしても状況は変わらず。次の再起動でドライバー再導入となったが状況変わらず。
KERNELBASE.DLLの修復に関する記述から、KERNELBASE.DLLの入れ替えが有効と思われる。しかし、この作業をマニュアルで行うことはリスクが高い。むしろインプレースアップグレードを行う方が安全・確実と判断できる。
Windows10のインプレースアップグレード
手順に従ってインプレースアップグレードを実行する。インプレースアップグレードとはシステム部分のみを上書き(アップグレード)するWindowsインストール手法。
この時点での結論
Windows10のインプレースアップグレードを実施する。一般的な修復作業では改善が見られず、手探りでWindows内部に手を入れようとするとWindowsのデスクトップが立ち上がらなくなるリスクを伴うので、インプレースアップグレードにより包括更新を行うのがベストな対応と判断される。
作業内容の詳細
Group Policy Editorによる修正
ストアの更新プログラムの自動ダウンロードおよび自動ダウンロードを未構成にする。
Registryの修正
Windows 10無印ではgpedit.mscが存在しないのでRegistryを直接編集する。
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Svchost
既に何かがインストールされているとxxx AppXSvcとエントリーされているはず。ここをNotFound AppXSvcとModifyする。
なお、Registry変更の場合は必ず事前にエクスポートして変更前データを保全しておくこと。
wappxの自動更新の未構成設定とRegeditによるwappxプロパティの変更の前後でのパフォーマンスモニター改善
System File Checker (sfc) によるシステムファイル確認
DISMコマンドによるScanHealthtとRestoreHealthの実行
上記作業後もスタートメニュー、検索とも改善無し。
Windows アプリ更新作業の実施(背景画面)22時から翌日7時まで実行後、途中でPowerShellが停止してしまった(前面に出ているファイルリストはイベントビューでエラーがログられているtextinputhost.exeの保存先)。この後の再起動でWindowsが立ち上がらなくなり(Explorer起動エラーと思われる)、タスクマネージャから再起動をかけたところWindowsが復旧した。このことから、真の原因が不明なまま大きなアクションを実行することはリスクが伴う判断する。
イベントビューワーのApplicationのイベントログには3分間隔でTextInputHost.exeの障害がログられている。障害を発生しているモジュールはKERNELBASE.dllなので、仮に障害対応を実施するとなるとKERNELBASE.dllに対して行うことになる。
TextInputHost.exeとの関係で入力デバイスの問題を仮定し、TouchpadをDisableしてみたが効果はなかた。
念のため、スタートアップオプションで修復作業を試みたがいずれも効果は無かった。
回復オプションで、explorerのシステムエラーがレポートされた。今回の障害との関連は不明だが、何かしらの異常な(大量な?)入力が行われている事を示唆しているようにも感じる。
加えてとても気になるのが頻繁(2,3秒おき)に回転リングが表示されることだ。これとKERNELBASE.dllとの関係を疑ってみる。
定期的にシステムリソースを消費しそうなアプリで、かつ年末にインストールされたものとしてAvast Antivirusが目に留まった。
これをアンインストールしてみる。結果は効果は認められなかった。
以上
追記
インプレースアップグレードによって今回の問題は解消!!!
やっぱりマニュアルでチマチマ作業するよりは一括で更新がリスクも少なく安全と実感した。ただし、Windows 10が最新バージョンに更新されることで戸惑うアプリもあるようだ。実際、更新後にAcrobat Readerが互換性問題を検出し、継続使用するか否かのユーザー選択を求めてきた。
手順はシンプルでWindows 10ダウンロードリンクにアクセスし、ツールを今すぐダウンロードをクリックする。後は表示される手順に沿って作業を進めるだけ。ただ、その前にセキュリティツールをアンイストールすることがRecommendされている。これはセキュリティツールがWindows インストールを阻害する(システムファイルへのWriteアクセスをさせない)場合があるため。インストールプロセスが途中で停止してしまい、システムが不定状態になると厄介なので、ここは確実にアンインストールする。実際の作業ではNorton 360をアンインストールしたが、このアンインストールに先立って、後の再インストールの為にユーザーアカウント情報を保存するか聞かれるので、保存するを選択する。これによってWindows 10インプレースアップグレード完了後にNorton 360をインストールすれば、アンインストール前の状態に戻せるはずだ。
Windows 10ライセンスを含めた個人情報が引き継がれると思うので、Windows 10の再インストール後も自分用にカスタマイズされたWindows 10環境はそのまま維持されるはずだ。
Windows10本体のインストール後は更新プログラムのインストールが続く。この過程で何度か(5回くらいだったか)リブートする。
一連のインストール/更新作業が完了すると、ログオン画面が現れ、ログオンするとWindows 10インストール前のデスクトップが維持された状態でWindowsが立ち上がる。
事前情報通り、個人情報とアプリ環境はそのままでWindows 10本体が最新バージョンにリフレッシュされたようだ。このリフレッシュにより、イベントログ上もKERNELBASE.DLLエラーが引き起こしていた一連の問題がシステムログに記録されることは無くなり、障害は解消されたことがわかる。
以上
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