IC-705 ターミナルモード設定
IC-705が届いた。これでD-STARが出来るようになる。
さて、ターミナルモードを設定する前段階として、ネット環境の設定をしないといけない。そもそもIC-705がそれ以前のリグに比べて優れている点はWifiを具備し自らが直接インターネット接続できることで、ゲートウエイを内蔵したことにあるようだ。705以前はインターネットに接続したPCを用意し、それをゲートウエイとすることでターミナルモードを実現していた。
一般的にインターネットで双方向通信を行うには双方がグローバルIPアドレスで通信することになるが、普通は家庭内機器にグローバルIPアドレスを割り当てることは容易ではないので、ポート開放(Port Forwarding)を使うことになる。ポート開放はルーター上で行うので、ポート開放されるリグとルーターは一対一の関係となる。この関係を確実なものとするためケーブルでのネット接続が望ましい(というか安心だ)。Wifiを使うと話はややこしくなる。Wifiルーターが2台以上ある家庭で、PCやリグ側でWifiアクセスポイントを複数設定してあると、Wifiの接続状況に応じてWifiアクセスポイントを自動で切り替えるからだ。これだと一対一の関係が維持できない。
家庭に複数台のWifiルーターがあったとしても、契約プロバイダーが一つだと家には終端装置が一つだけで、まずはそこにWifiルーターが接続されているはずだ。これを元ルーターと呼ぶと、それ以外のWifiルーターはその元ルーターからカスケード接続されることになる。一方ポート開放は元ルーターに対して設定するので、ポート開放前提のリグはこの元ルーターに接続しないといけない。そもそも、複数台のWifiルーターを備えている家は家の場所によっては元ルーターの電波が届き難いからだと思う。つまり、リグの設置場所は元ルーターの電波がそれなりの強度で飛んでこないといけない。ということでシャックと元ルーターの位置関係が問題となる。
内はこの位置関係においてハズレだった。シャックの位置は動かせないので元ルーターを動かすことにした。終端装置の直ぐ横に置いておいたルーターを屋根裏に移動した。古民家ゆえ、ほこりっぽいのでシューズが入ってた箱にいれた。
これでポート開放設定するWifiルーターがシャックの近く(正確には家の真ん中)に設置できたので、ポート開放が設定できる。
さて、705にはポート開放に加えてUDPホールパンチが備わっている。とりあえず分かっている範囲でその違いをまとめてみた。
ポート開放による局間QSOはとてもシンプルで双方が相手のグローバルIPアドレスに送信するだけだ。コールサインとIPアドレスのテーブルは管理サーバーが持っているので、送信に先立ってToコールサインのIPアドレスを管理サーバーに問い合わせる。呼び出しを受けた際に相手先コールサインをRX->CSボタンで設定するのは、管理サーバーにIPアドレスを問い合わせるコールサインを設定するためのようだ。また、ターミナルモードを使うには管理サーバーに自身のコールサインを登録しないといけないのもこの理由によるみたいだ。実際コールサイン登録時にIPアドレスが登録項目にあったが、あれがIP値の初期値だったように思う。このIPアドレステーブルは実際に管理サーバーにアクセスする度に更新されるので、初期値はどうでもよいみたいだ。
一方UDPホールパンチによる局間QSOはちょっとややこしい。そもそもポート開放を行わないので自分の信号をどうやってルーターの裏にいる相手局に届けるかが問題だ。UDPホールパンチはNATテーブルを活用してこの課題を解決しているようだ。
NATテーブルはルーター裏のローカルIPと通信先となるインターネット上のグローバルIPアドレスを関係づけている。つまり送信元のローカルIPアドレスと送信先のグローバルIPアドレスの関係を保持することで、送信先から返答が戻ってきたときに、その返答をこのテーブルをつかって送信元のローカルIPアドレスに届けるわけだ。つまり発信元手動のテーブル設定になっている。よってこの方法ではインターネットからの呼び出しを受け取ることができない。
UDPホールパンチでは、まず通信する2局を決めてから、それぞれの局側のルーターに、お互いの相手局に向けての信号を送ることで、NATテーブルを作成させる。そうすることで、相手局からグローバルIPアドレスでおくられてきた信号をロカールIPアドレスに変換するようにしている。そのため、交信相手を決めると、管理サーバー経由でその交信相手に自分への信号をおくる(NATテーブルを設定する)指示を出す。自分は交信相手が分かっているので管理サーバーにその相手局コールサインのグローバルIPアドレスを問い合わせ、そのグローバルIPアドレスに信号を送ることでNATテーブルを設定できる。一旦NATテーブルが設定できれば、双方向通信が可能となる。
課題は、こちらから呼び出すことが前提条件で、任意の局からの信号を待ち受けることはできない。
設定が終わったらならやま自動応答で自分の信号が正しくネットに送られたことを確認する。
上記が確認できてからエコーサーバーに接続すれば、自分の変調をエコーバックしてくれるので、変調が乗ることも確認できる。
これらの局は705の個人局リストに登録済みになっている。というか、そう意味だったのね。
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