無線と実験

2023年1月26日 (木)

アンテナアナライザーAA-1500でのケーブルインピーダンス測定について

Facebook RigExpertグループに投稿した内容をこちらにまとめておく。

事の発端はローカル局のアンテナ調査。6m同軸ケーブルでSWR=1.9位になる件。同じアンテナで10mだとSWR=1.1。そこで、ケーブル・インピーダンスを計ろうと思ったことが事の始まり。

ケーブル端に50Ωのダミーロードを付けてケーブルSWRとR,Xを測定したが、SWR=1.45、R=72Ωと出た。ちょっと変なので、AA-1500に直接ダミーロードを付けて測定した。

Photo-1がダミーロードを取り付けているところ。Photo-4でDC抵抗が50Ωであることを確認。
Img03799_small Img03800_small

この状態でもSWR=1.44(Photo-2)、R=72.75Ω(Photo-3)。System Impedanceは50ohmとなっている(Photo-5)。何かがおかしい感じがするのでSelf testを実施したらLoad Testにて232エラーとなった。232エラーが何を意味するかわからないけれど、Self Testがエラーに終わったのはわかる。

Screens

この状況をRigExpertグループにて報告したら、ダミーロードが3GHzまで対応するアダプターなしのダミーロードでないのがいけないとのコメントをいただいた。いいかげんなダミーロード取り付けが原因でSelf Testがエラーになるという指摘は反論することができないが、この状態でR=72.75ohmというR,X Chartが出てくることは納得がいかない。50Ωのダミーロード直付けでR=72ってのはどう見ても変だ。

Self TestがちゃんとしたダミーロードならPassするのだろうか?これはちゃんとしたダミーロードを買って試してみるしかない。一方AA-1500にはCalibration機能がある。カジュアルな方法になるけれども手持ちのダミーロードでキャリブレーションしてみたくなった。そのうえでケーブルインピーダンスを計ろうと思う。

まず同軸ケーブルの等価回路から特性インピーダンスを求める計算式を設定する。測定はRG58/1.5mと5D2V/6mの2本で行った。Open、Short試験でのShortではM型メスコネクターにて芯線と外被線をショートさせた。

Cablezo1

それぞれのケーブルの特性インピーダンスはともに70Ω程度となった。50Ωのダミーロードを直結した状態とほぼ同じだ。なので、系としてはちゃんと動作している感じだが、インピーダンスが50Ωから随分と外れている。

Cablezo2

そこでCalibrationを実行。

Cablezo3

キャリブレーション後のケーブルインピーダンスはおよそ50Ωと算出された。こうならないとおかしい。

Cablezo4

実際のアンテナのSWRがCalibration適用有無でどう変化するかを確認した。

Cablezo5

SWRの変化の様相は周波数によって異なることがわかる。ただ、思いのほかCalibrationの影響が現れていない感じもする。周波数によってSWR値が変化する(10MHz)場合とSWR値はそれほど大きく変化しないが共振点が変化する(14MHz)場合があることがわかる。

よくよく考えてみるに、なぜCalibration機能があるのだろう?ここについてはもう少し考えてみたい。

2023年1月20日 (金)

XR2206 Function Generator ICでのFSKについて

XR2206を使ったFunction Generator kitを作った。このICはFSKをサポートするのでその動作について確認した。

Img03748_small
奥がKit、手前がFSK切替信号を発生させているPico。

このキットは中国製で、正弦波と三角波を生成するFunction Generator。少ない外付け部品で広範囲の周波数の信号を作ることができる。回路図は以下のとおり。キットの回路図にFSK実験用のR10とPICO接続端子、SINE出力のAC成分だけを取り出すようにC10を追加している。

Xr2206fsk

このXR2206はTC1・TC2間に接続されるコンデンサーCとTR1(P7)とTR2(P8)のそれぞれに接続される抵抗値R6,7,8とR10によってそれぞれ2つの周波数を生成する。この周波数のどちかを出力するかをFSKコントロール端子(P9)によって選択する。発生する周波数は以下のとおり。

F = 1/RC

Xr2206fsk2

キットの回路図にR10を接続し、FSK制御信号として、Picoから8msecインターバルの信号を入力した。その結果が以下のオシロスコープ出力結果になる。

Ds1z_quickprint1_20230120212301

周波数の切り替えはスムーズだ。全く同期がとれていない2つの発信波形を切り替えると、切替時点でレベルが大きく変化するが、XR2206は波形のレベルが引き継がれている。これってどうやって実現するんだろう??優れものだと思う。

2023年1月15日 (日)

NEO-7M GPSモジュールが中国から届いた

アマゾンでオーダーしたNEO-7M GPSモジュールが中国郵便ePacketで届いた。PICO-TNCのGPSモジュールとして使えるか確認する。

届いたのはモジュール基板とアンテナモジュール、ピンヘッダー。
Img03600_small

ピンヘッダーを半田付けして、RS232Cレベル変換モジュールを通してPCのコムポートに接続してGPSモジュールの出力を見てみた。
Img03622_small

GPSモジュールは以下のテキストデータを1秒間隔で出力し続けている。

$GPRMC,013837.00,A,3540.78920,N,13738.11534,E,0.134,,150123,,,A*76
$GPVTG,,T,,M,0.134,N,0.248,K,A*2B
$GPGGA,013837.00,3540.78920,N,13738.11534,E,1,06,1.91,540.5,M,36.5,M,,*53
$GPGSA,A,3,25,32,24,10,23,12,,,,,,,3.20,1.91,2.57*09
$GPGSV,3,1,09,10,47,226,29,12,51,054,26,22,29,312,10,23,26,190,12*7B
$GPGSV,3,2,09,24,22,071,09,25,79,103,30,29,12,146,08,31,26,273,26*77
$GPGSV,3,3,09,32,61,324,29*48
$GPGLL,3540.78920,N,13738.11534,E,013837.00,A,A*6D

この出力内容の内、$GPGGAはプロトタイプで使っていたGPSモジュールが出力していた$GNGGAとフォーマットが同じであることが確認できたので、この出力をそのままPICO-TNCのコードに読み取らせた。

結果は良好で、PICO-TNCはビーコンを発生することができた。なお、NEO-7Mモジュール基板はGPSデータ出力時にLEDを点灯する。よって、このLEDの点灯でGPSデータ受信が行われていることが分かる。
Img03644_small

NEO-7Mモジュールをプラケースにねじ止め固定した。
Img03647_small

蓋を閉じる前の様子はこんな感じ。ケース内のスペースにはまだ若干の余裕がある。
Img03646_small

蓋を閉じるとこんな感じになる。FT-70Dよりも一回りちょっと大きなケースとなるが、プロトタイプ1号機としてはまずまずの出来だと思う。
Img03648_small

PICO-TNCとFT-70Dで近所を軽トラ(超低速)で走ってみた。Beaconインターバルは1分。プロットはいずれも移動経路上にあり、GPSとしては使いそうと判断した。
20230115neo7mtracking

このNEO-7Mモジュール+アンテナモジュールはアマゾンで850円程。送料が800円かかる。とりあえず追加で3個をオーダーした。

追記

このGPSモジュールは捕捉できるGPS衛星の数が5から8個程度のようだ。秋月で購入したGPSモジュールは、みちびきも捕捉できるので12個だった。つまりこのGPSもジュールはそれなりの誤差があるということだ。

$GPGGA,013837.00,3540.78920,N,13738.11534,E,1,06,1.91,540.5,M,36.5,M,,*53
$GPGGA,202824.00,3540.79166,N,13738.11552,E,1,07,1.55,510.8,M,36.5,M,,*59
$GPGGA,221438.00,3540.78683,N,13738.11710,E,1,08,1.10,513.7,M,36.5,M,,*52

実験をしている作業場所をGoogle Mapでみてみると35.67982(3540.7892)、137.63527(13738.1162)とでてくる。標高も30メートルは前後する様子だ。

2023年1月 9日 (月)

TNCアプリにおけるDemoduatorの動作確認

PICO TNCのdemodulatorにおける信号処理を調べてみた。

demodulatorはADCデータを1バイト読み込み、ある値sumを出す。sumを算出するに当たってdemodulatorは以下の信号処理を行っている。

  • Bandpass Filter 入力:adc  出力:val
  • Digital Correlator (Delay) 入力:val  出力:m
  • Lowpass Filter  入力:m  出力:sum

それぞれの処理後の値をプロットしてみた。

まずは全体像。それぞれの値に大きな差があるため、わかりにくくなっているが、mとsumの関係はわかる。
Graphtotal

ADCデータ列
Graph1

Bandpass Filterの出力。通過周波数は900Hzから2500Hz。これによってOffset成分がなくなる。
Graph2

Delayの出力。DelayはMarkとSpaceのTone差を最大化することを目的としている。これにより、両Toneの分別がしやすくなる。ここでは446usのDelay値を積算することで1200Hzは正値、2200Hzは負値となるようにしている。一般的なDelayはDelay値を加算しているが、ここでは積算している。
  m=val[t] * val[t-446us]    なお、Sampling Rate =1200x11では6サンプル分遅延した値を積算している。
Graph3
6サンプリング前の値を取り出す方法として、6エレメント(6サンプル)のリングバッファを使っている。リングバッファの場合、現在のポインタをtとすると、t+1は現在よりも5サンプリング前のデータが格納されている。t+2は4サンプリング前、、、、といった具合。なのでtは今から6サンプリング前のデータ格納されている訳で、その値を取り出してから、tに新しくサンプリングしたデータを格納する。こうすることで、過去のサンプリング値を取り出したあと、そこに新しいサンプリングデータを格納し、ポインターを一つ進める、という動作を繰り返すことで常に6サンプリング前のデータを取り出すことができる。

Lowpass Filterの出力結果。カットオフ周波数は1200Hz。プラス部分がSpace(2200Hz)、マイナス部分がTone(1200Hz)となってる。逆に言えば、この波形を取得するためにDelayを使っている。
Graph4

レベル識別の閾値は以下のとおり

  • sum <  - 4096 : bit=1 (Mark)
  • sum >=  4096 : bit=0 (Space)

DIGITAL PLL

Ditigal PLLは11回で1 Time Domainを形成している。

  • PLL Counter Step = 390,451,572
  • PLL Counterは正値5回負値6回、または正値6回負値5回の合計11回で1 time domainとなる。
    • PLL Step 11回でbit decode
  • 入力bitに遷移が発生した時にPLL Counterを25%調整する。
    • PLL Counter値が負値の場合は25%加算し、正値の場合は25%減算する。

このPLL Counter値の正負で25%加算減算するのがミソで、bit遷移が発生した時点でのPLL Counter値からPLL Counter値自体を調整し、遷移点とTime Domainの位置関係を保っている。

実験結果

PICO_TNCが発生するAFSK信号をPCに取り込み、サンプルコードでDelay(積算)とLowpass Filterを通してみた。

Beacon Delay Lpf

Beaconデータ:ダウンロード - mice7mono.wav

Delayコード:ダウンロード - dd_psude_stereo2.c

Delay後データ:ダウンロード - mice7mono_output.wav

LPFコード:ダウンロード - dd_lpf2.c

LPF後データ:ダウンロード - mice7mono_output_output.wav

 

2023年1月 4日 (水)

AFSKでの復調について

AFSKの復調について大変参考になる情報があったので、その要約も含めて備忘録。

 

復調における課題:

  • Low SNR
  • Hight Twist -  Mark信号とSpace信号の大きな振幅差
  • Phase distortion - Mark信号とSpace信号が符号境界に到達しない
  • Inter-Symbol interference - Mark信号とSpace信号がPhase Distortionにより重なる
  • Frequency Distortion - Tone周波数とData Rateとの大きな差
  • No error correction - 1ビットエラーで破棄

Hight Twist対策

Digital Correlator

Comb Filter(自らの遅延信号によりその信号自体を増幅する手法)の利用。

Comb

Delayを最適化することでMarkとSpaceのTone差を最大化することができる。
Zero Cross Detectorを使ってアナログ信号をデジタル変換し、同じDelayをComb Filterに適用する。

テストでの入力信号は以下。ジッターを発生させる低周波成分が含まれていてこのままではZero Cross Detectorにかけられない。
Wave1

1200Hz-2200Hzを通過させるBandpass Filterを通すと、低周波成分が除去できる、
Wave2

Bandpass Filterを通した波形をZero Cross Detectorにかける。

Wave3

Digital Comb Filterを適用する。Digital Comb Filterでは以下を実行する。

  1. Zero Cross Detector出力をDelayさせた信号とXORを取る
  2. 得られた信号に対してLow Pass Filterをかける。
  3. 得られた波形に対してZero Cross Detectorをかける。

XORを取った信号波形

Wave4

Cutoff 760HzでLowpass Filterをとおした波形

Wave5

Lowpass Filterを通した波形に対してZero Cross Detectorをかける。

Wave6

Clock Recovery

送信信号に対して、受信側のクロックを同期させる必要がある。そうしないと上記Bit Periodが得られない。

この為にTX Dlayがある。TX Delayで送られる信号でこのClock同期をとる。よってTX Delayはそれなりの長さが必要となる。

この過程においてCarrierシグナルからビット周期(パルス幅)を測定する。

Wave7

クロック同期をとるためにDigital PLLをつかう。Digital PLLはジッター量を計り、そのジッター量により、Data Carrierに同期しているかを判断する。

ここでは、シンボル周期をサンプリング数22で測定している。この範囲で上記矩形幅によってPLLを遅らせたり、進めたりする。

ロック状態と判断するには、ジッター幅が1.1サンプル以内になった時、アンロックと判断するのはジッター量が4.4サンプル以上となった時。

2023年1月 2日 (月)

APRSでのNRZIについて備忘録

APRSでのNRZI方式について備忘録

APRSはHDLCフレームをAX.25で転送するとの理解で考えると、APRSのTNCはNRZ-SpaceでEncode/Decodeしていると解釈される。

NRZ-Spaceはレベル遷移をゼロで行う。一般的なNRZIは1でレベル遷移実行となっているからここが大きな違いだ。

これについてはWikiwandに書かれている。以下がNRZ-Space部分の抜粋。

Non-return-to-zero space

Non-return-to-zero space
Encoder for NRZS, toggle on zero

"One" is represented by no change in physical level, while "zero" is represented by a change in physical level. In clock language, the level transitions on the trailing clock edge of the previous bit to represent a "zero".

This "change-on-zero" is used by High-Level Data Link Control and USB. They both avoid long periods of no transitions (even when the data contains long sequences of 1 bits) by using zero-bit insertion. HDLC transmitters insert a 0 bit after 5 contiguous 1 bits (except when transmitting the frame delimiter "01111110"). USB transmitters insert a 0 bit after 6 consecutive 1 bits. The receiver at the far end uses every transition — both from 0 bits in the data and these extra non-data 0 bits — to maintain clock synchronization. The receiver otherwise ignores these non-data 0 bits.

更に重要なのは赤字部分。1が5つ続いたら0を挿入すること。これを知らないとデコードが出来ない。

2022年12月17日 (土)

PICO TNCno製作 その3

KENWOODハンディトランシーバー対応。トランシーバーはTH-K20、ちょっと(かなり)古い。

KENWOOD対応のヘッドセットのケーブル・ジャックを活用しようとして驚いた。ケーブルを切ったのはこのヘッドセット。
Img03220_small

まぁ、幾分細いワイヤーがはいっているんだろうと思ったら、、、なんと超極細エナメル線を編んだワイヤーが4本入っていた。これはどうしたものやら。とりあえずカッターナイフで極細エナメル線の被覆を削り落としてクリップを付けて配線を確認した。
Img03218_small

3芯ケーブルに半田付けし、熱収縮チューブでカバーした。
Img03222_small

KENWOOD ハンディのスピーカーマイク配線は以下のとおり。
Kenwoodpinlayout

つまりMICラインとPTTラインは分けないといけない。ここがYaesuと違う所。そこで、ビーコン発生機のジャック端子の真ん中(Ring)にPTT信号を割り当てる改造を実施。

35mmjack

この結果、ハンディのスピーカーマイク端子とビーコン発生機に差し込むジャックとの配線は以下のようになった。マイク信号線はマイク端子(Tip)へ、MIC/PTT共通信号線はPTT端子(Ring)へ、PTT/GND信号線はGND端子(Sleeve)へ接続した。
Kenwood

これでとりあえず動くようになった。

Img03228_small
しかし、トランシーバーから電波を出すとPicoが誤動作し、PTTが切れない。つまり電波が出っぱなしになる。この状態で今回作ったケーブルを手で覆い隠すと誤動作(PTTオン)が止まる。つまり、トランシーバーからの電波に対してビーコン発生機をシールドする必要がある。

Picoが誤動作している可能性があると思い、ケーブルのビーコン発生機ジャック根元部分にコアを入れてみたが効果なし。
Img03229_small

今度はトランシーバー側にコアを入れてみた。こちらは効果があり、安定的に動作するようになった。ちなみにコアはFT-114-43、バラン用に購入してあったもの。
Img03230_small

以上でKENWOOD Handy対応も目処がたった。

追加のノイズ対策

今回の誤動作はPTTがオンになりっ放しになるというもの。スピーカーマイクケーブルのトランシーバー側にコアを入れて改善したことから、このケーブルを介してノイズがビーコン発生機に入ってきていることが想像できる。そして、ビーコン発生機のPTT信号出力トランジスターを誤動作させているということだろうか。であれば、トランジスター自体にノイズ対策を施すことは効果がありそうだ。

それで以下の対策を施した。
Emitterreg
Q1のベース・エミッター間にR3 10KΩ抵抗を入れた。この抵抗がない状態ではベースに入ってきたノイズ電流によってQ1が誤動作する場合が有り得るが、そのノイズ電流をGNDに流す役割をするのがR3になる。仮に0.01mAのノイズ電流がベースに入ってきたしても、10KΩに流れたとして電圧は0.1Vとなりベース・エミッター間飽和電圧(大体0.8V)よりも十分小さいのでQ1を動作させることはないがノイズ電流はGNDに流すことができる。

試しにコアを取り外してみたが、やっぱりコアが無いとPTTがオンになったままになる。ということで、上記R3の追加は決定的な対策にはならないことが判明。

2022年12月12日 (月)

PICO TNCの製作 その2

PICO TNC製作の続編その2。

プロトタイプが完成した。
Img03140_small

事前設定したインターバルで、ハンディ―トランシーバーのマイク端子経由にてMic-EフォーマットでGPSデータを送信することができるようになった。

PICO TNC コマンドの使い方

  • mycall JA0WBT または JA0WBT-7  :  SSID有無どちらでもよい。mycallを設定しないとBeaconは出ない。
  • unproto JA0WBT V WIDE1-1   :  Vの前はDestination Addressだが、ソフトウエア内部でMic-E形式のDestinationに上書きするようにした。なのでどんな文字列でも構わない。Vの後はデジパス1でNewパラダイムに従ってWIDE1-1を指定する。
  • digi ON  : デジパスを指定しているのでONを指定する。
  • gps $GNGGA   : プロトタイプに接続しているGPSモジュールのGGAフォーマットは$GNGGAと頭に付けてくるのでそれを指定する。これ以外のフォーマットタイプは今はサポートしていない。
  • btext HelloWorld  : BeaconのInformationに付加する自由テキスト。
  • beacon every n  : Beacon発生インターバル。n=1で1/6秒。最大360=60分。
  • PERM  : パラメータを設定したら実行。これにより設定したパラメータ値がFlashメモリーに保存され、パワーサイクルでも消えない。

以下がdispコマンド実行結果。MYALIASは設定しなくてもよい。

disp

ECHO ON
TXDELAY 100
GPS $GNGGA
TRace OFF
MONitor ALL
DIGIpeater ON
BEACON On EVERY 6
UNPROTO SUTPW8 V WIDE1-1
MYCALL JA0WBT-7
MYALIAS JA0WBT
BTEXT HelloWorld

OK
cmd:

送信されるパケットデータ

PICOの出力(トランシーバーのマイク入力)を入力(トランシーバーのスピーカ出力)にループさせてPICO TNCにて自分の出力を自分でデコードさせた。さらに実際にトランシーバー(FT-70D)のマイク入力に接続し、電波送信してI-Gateにて受信した。その受信した結果が以下:

17:43:53R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1 Port=1 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
17:43:53R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1 Port=2 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
17:43:55R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1* Port=1 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld
17:43:55R JA0WBT-7>SUTPW8,WIDE1-1* Port=2 <UI C Len=24>:
`AB'l l[/`"9L}HelloWorld

I-Gateは2ポート設定しているので(1ポートにする方法がわからん)、同じ電波信号をPort1とPort2で2回取り込んでいる。最初のペアがPICO TNCが生成したフレームで、次のペアがPICO TNC内でループバックして再送信した信号になる。ループバックした信号はデジピートしたことになるのでWIDE1-1の後ろに*が付加されている。

Digipeaterとしての機能

Digipeaterとしの機能を確認する。FT3Dからビーコンを送信し、それをFT-70Dで受信。FT-70DのSpeakerをPICO TNCの入力に接続し、MicをPICO TNCの出力に接続した。

Img03160_hdr_small

Beaconrepeat

結果は、FT3Dからのビーコン(上図①)はFT-70Dでビーコン再送(上図④)された。そのビーコンはFT3Dで受信することができた(以下写真)。一方、UI-VIEW32はFT3Dからのビーコン(上図①)は受信表示したが、FT-70Dからのビーコン再送(上図④)は受信表示されなかった。
Img03161_small

考察として、UI-VIEW32はオリジナル信号を受信した後に、そのデジピート信号を受信した場合、それは受信表示しないのではないかと思われる。もしそれを許したら、同じ信号をデジピートの分だけ何度もI-Gateしてしまうから。一方、FT3Dは自分が発信した信号のデジピートであっても自分以外の送信機からの信号なのでそのまま表示したのだと思う。

UI-VIEW32のTerminalで確認したところ、上記の通りと判断できる。以下がTerminalの表示内容。3つ目のWIDE1-1に*が付いているのでデジピートされた信号と判断される。デジピートしたのはPico TNCになるので、Pico TNCはちゃんとデジピートしているのだけれど、それをUI-VIEW32がInternetには送り出さなかったということだ。

19:34:21R JA0WBT-7>SUTPW7,WIDE1-1 Port=1 <UI R Len=17>:
`AB(l!m[/`"9l}_0
19:34:21R JA0WBT-7>SUTPW7,WIDE1-1 Port=2 <UI R Len=17>:
`AB(l!m[/`"9l}_0
19:34:22R JA0WBT-7>SUTPW7,WIDE1-1* Port=2 <UI R Len=17>:
`AB(l!m[/`"9l}_0

 

乾電池駆動について

この実験に際して、PICO TNCを単四乾電池2本で駆動した。5分インターバルで一晩ビーコンを出し、朝停波。その状態で実験を続けていたところ午後3時ころには電池がなくなった(Watchdog Timer Failure発生)。結構電力を消費している。

基板への実装とケースへの取り付け

ブレッドボードに作った回路を

Img03170_small

この回路をユニバーサル基板に配置する。

Img03163_hdr_small

実装が終わった状態。RS232CでPCでモニターする。
Img03175_small

乾電池(単三2本)での動作確認。
Img03171_small

ダイソーの3個100円のケースにいれる。RS232Cのボードもユニバーサル基板に実装した。
Img03228_small

完成した状態。
Img03187_small

この状態で持ち運んで軌跡確認を行った。
Img03210_small

実験結果はまずまず良好で、基本機能が動作することを確認できた。

DIAMOND GS-3000の修理の件

ヤフオク!で落としたDiamond GS-3000 13.8V MAX30A電源が届いた。

動作させたところ電圧は13.78V、しかし電流は4A程度で電流制限が働いで電源OFFになる。

Img03149_small

良くある故障モードとして可変抵抗器の劣化が考えられる。

GS-3000の故障に関する情報から、VR1が電流制限調整VRであることが判明した。

Img03152_small

VR1を拡大する。この写真では8時方向をむいているが、入手時点では12時方向を向いていた。
Img03152_smallzoom

とりあえず、VR1を何度か回してまずは、3時方向にセットし負荷を繋いでみた。4Aよりも小さな負荷で電流制限が発生。そこで8時方向まで回してみたところ、8Aの負荷でも電流制限は作動しなかった。30A負荷を与えることができればVR1の位置は追い込めるが、そのような負荷がないので、とりあえずこれで様子を見てみる。

考察:

この電源、カバーを外してみると結構きれいな感じだったが、基板の隅の方を見るとシルク印刷が隠れるほど埃がこびりついている。つまり、この電源の出品に当たって掃除をしたということだろうと思う。ひょっとしたらその際にVR1の位置が変わってしまったのかもしれない。いずれにせよVR1の調整だけで問題は解決したように見える。

考察のやり直し:

電流が出ないというか過電流保護が働いて出力電流制限されている理由が分かった。4つあるパワートランジスタの内3つのエミッターに繋がるワイヤーが断線していた。半田にクラックが入って取れたように見えた。VR1を変化させて制限電流値が増えたのは残っていた1つのパワートランジスターの最大電流(0.1Ω抵抗に流れる電流量)を増やしたため、ということのようだ。

断線していたワイヤー部分(黄丸)。
Img03192_small

エミッター端子の半田面が割れて剥がれたような半田断面にみえる。
Img031911
こちらも同様。
Img031912

本来は4個のパワートランジスターで出力しているところを1個のパワートランジスターで制御したため、過電流制御が働いてしまったようだ。エミッターへケーブルを半田付けしなおした(黄丸)。
Img03200_small

この結果、電流制御用のVRを元の位置に戻しても、問題なく動作するようになった。また、電流計は剥がれがケーブルの先に繋がっていたので当初は電流表示が出来なかったがケーブルを半田付けしなおすことで、電流計も動作するようになった。

考察

もうちょっとちゃんと構造を調べて見たくて、今一度理解を深めるためにJH7LUC局のブログなど先人の知恵を参考に自分で回路図を書いてみた。

Gs3000circuit

ダウンロード - gs3000.ce3

構成はダーリントン接続のトランジスターが3段になっていて、ツェナーダイオードで定電圧としている。リセットIC TA8505Pの入力にサーモスタットにかかる電圧を接続し、ある程度の抵抗値(温度)になったらリセットICがリセット信号を出力し、その信号によってファンモーターnの駆動制御を行っている。TA8505PはVCC=5Vを必要とするので三端子レギュレータTA78006PでVCCを作っている。過電圧(ツェナー電圧)となるとツェナー電流が流れリレーが働いてパワートランジスタへの入力をカットする。

定電圧の原理は以下の通りと理解した。Q2のエミッター電圧Veq2はZDのツェナー電圧Vzdで決まる。Q2のベース電圧は、ベース・エミッター間電圧をVbeq2とするとVzd+Vbeq2となる。この電圧はVout(R2/(R1+R2))であたえられるので、Vout=(Vzd+Vbeq2)((R1+R2)/R1)となるようにQ1が帰還制御される。

Photo_20221217143201

よくわからなかったのが過電流制御部分。ここは以下の通り解釈した。

Photo_20221217144001

VEQ5=VEQ3-R2xIOUT  : IOUTが大きくなるとR2による電圧降下が大きくなるのでVEQ5(Q5のエミッター電圧)は小さくなる。
VBQ5はVRの値によって変化する。
VBQ5-VEQ5>VBE となればQ5はONになる。つまりIOUTが大きくなるとQ5はONになる。その閾値はVRで変化する。

Q1のベース電圧からみると、Q3のエミッター電圧はQ1からQ3のベース・エミッター間電圧の合計分低いことになる。Q5がオンになるとその電圧差がなくなるので、Q1からQ3へのベース・エミッター間に電流が流れなくなる。

解釈が正しいかイマイチ不安な部分があるけれども、出力電流による0.1Ω抵抗の電圧降下とVR1の値のバランスでQ5がONされることには違いない。

2022年12月11日 (日)

トランシーバのマイクとPTTが一本の線にまとめられている件

FT-70DとかFT3Dとかのハンディトランシーバーではマイク端子とPTT端子が一つにまとめられている。

MICとPTTが一本の線にまとめられているってどういう事なんだろうってことで調べてみた。

Yaesu スピーカーマイクSSM-17Aのピンジャックの信号配列は以下のようになっているようだ。他の資料などを見るとSPとMIC/PTTの間の電極はDATA/Cloneとなっているが、このスピーカーマイクでは未使用だと思う。
Ssm17apin

MIC/PTTとGNDの間の抵抗値をテスターで測ってみた。PTTを押さない場合は絶縁状態、PTTを押すと633Ωとなった。
Img03143_burst01_small

いろいろな資料を見てみて、この仕組みを回路にまとめると以下のようだ。テスターで測定した633Ωは回路図のR01にあたる。つまり、PTTを押すとMICラインが633Ωで接地されるわけだ。トランシーバー側はこのMICラインがPNPトランジスタのベースに繋がっているようで、PTTが押されるとトランジスタがオンになる。これがトランシーバー内でSEND信号になるようだ。一方MICはコンデンサーCを介してAC成分だけがMIC信号として取り出される。ここでR01の抵抗値はトランシーバー内のR02との関係で適切な値に設定し、ベース電流が流れるようにしないといけない。実験ではR01が2KΩではPTTが効いたが、10KΩではPTTが効かなかった。
Micptt0

とりあえずR01はスピーカーマイクでの測定値に近い680Ω位に設定すれば安心なんだろうと思う。

スピーカーマイクの代わりにTNCを取り付けた場合、PTT信号を使って以下の回路を構成すればよい。この回路ではPTTオンがHIGHを前提としている。
Micptt2

実験の結果680Ωでこの回路でも動作を確認した。

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